止まったままのスケートファン人生

 

 おはようこんにちはこんばんは。

 

 今回はJUMPとは関係ないフィギュアスケート、特に浅田真央ちゃんについて書きたいと思います。オリンピックで羽生くんが金メダル、宇野くんが銀メダルを取ったことで、自分の中でも気づいたことがあったので。

 ちなみに、真央がすっごく好きだし尊敬しているんだけど、友達感覚でいつもテレビの前では呼び捨てで呼んでいるので、ここでもそうさせていただきます。

 

 

 真央を初めて見たのは多分2005−2006シーズン。私がまだ小学生だった頃。SPカルメンのポニーテールをくるくるするところと、最後のシャシャシャッってところがめちゃくちゃ好きでよく真似してた。あとFSくるみ割り人形がめちゃくちゃ可愛くて。自分の名前を「ぴんく」に改名したいと駄々こねてた当時の自分がハマらないわけないよね、あのプログラム。

 真央を好きになってフィギュアスケートを知って、車で1時間以上かかるところにあるスケート場に初めて連れてってもらって。運動音痴の割には滑れたんだよね。で、自分も真央ちゃんみたいになりたい!と思ったけど、スケートリンクは遠いしお金はかかるしで教室には通わせてもらえず。普通の地面で2回転を跳ぶ日々。あれはあれで楽しかったなぁ。毎年冬には家族でスケートしに行って、テレビで真央ちゃん応援して、たまに本買ってもらって。

 

 好きなプログラムは、2006−2007のFSチャルダッシュ、2007−2008のFS幻想即興曲、2008−2009のSP月の光とFS仮面舞踏会、2009−2010バンクーバーオリンピックシーズンのSP仮面舞踏会とFS鐘とエキシビションカプリース、2010−2011のFS愛の夢、2011−2012のパンツスタイルが特徴的なSPシェヘラザードと昨シーズンに引き続きFS愛の夢、2012−2013の個人的に超楽しいSPアイ・ガット・リズムとFS白鳥の湖エキシビションメリー・ポピンズ、2013−2014ソチオリンピックシーズンのSPノクターンFSピアノ協奏曲第2番。

 曲も衣装も好きな雰囲気のものが多かったな。真央がピンク好きだからピンク衣装が多いんだっけ?真央スマイルも、キスクラで「カメラどっち!?こっち!?」ってやってる無邪気なところも可愛い、好き。他にすごい覚えてるのは、演技終盤のジャンプでもなんでもないところで転んだことあったと思うんだけど、あれってなんのときだっけね。くるみ割り人形くらいの時期だったと思うんだけど。

 あと私、真央のビールマンスピンが本当に大好きで。鳥かごの中に鳥がいるみたいな。めちゃくちゃ綺麗だよね。きっと一生忘れない綺麗さ。

 

 スケートしてる真央も好きだけど、そうじゃない真央もすごく好きで。人柄が素敵。試合後のインタビューだったり本だったりから伺える”浅田真央”は、とにかく可愛くて素直で笑顔が可愛くて。大ちゃん(高橋大輔)にインタビューされて思わず笑っちゃうし、「お正月はコタツでみかん」がしたいし。ほわほわしてるけど自分のことも周りのことも見えてて。芯があって強くて柔らかい人だなと感じた。みんなに愛される理由はここなんだと。

 

 そんなこんなでずっと、スケートも真央も好きだった。ソチオリンピックまでは。

 

 真央が復帰した2015−2016シーズン、私はスケートが好きではなくなった。真央が復帰してくれたことはものすごく嬉しかったし、ミスしてもミスしなくても、上位でも下位でも、演技する真央がそこにいてくれるだけでよかった。でもどうしても、真央ではなく、スケートを信じられなくなった。どうしてこんなに綺麗に跳んで滑って踊ってるのに点数低いんだろうって思うことが多くなって。演技と点数が合ってない気がして。ちょうどその頃、真央の採点が厳しいんじゃないか、なんて声が多くあがり始めて。私には本当のところは分からないし、正直、厳しくても優しくてもどっちでもよかった。ただ自分で信じられないから好きじゃなくなって積極的に見ることをやめただけの話。結果を見てから演技を見たり、ニュースのダイジェストで演技を見たり。そうじゃないと自分の中で咀嚼できなかった。演技と点数が結びつく場にはいられなかった。演技は演技、点数は点数、じゃないと真央が見られなかった。自分が苦しいから。いっそ、スケートも真央も嫌いになりたかったけれど、真央はいつでも真央だった。好きになったあの頃のままの真央だった。そんなの、嫌いになんてなれない。

 

 

 そして真央が2017年4月10日に公式ブログで引退を発表した。

 

 ニュース速報かなんかでそれを知ってすぐ、ブログにアクセスしたけど重くて繋がらず。自分の目で見るまでは信じないと思いながらも、聞こえてくるのはニュース番組で読み上げられるブログの文面。泣くしかなかった。生きてるうちに真央の演技を生で観るって決めたところだったんだよ。

 寝て起きて朝になっても事実は変わってなくて。

 真央が決めたことだからって納得したいし、納得してるところもあるけれど、それでも、スケートする真央を見ていたいって気持ちは捨てられなくて。”見ない”のと”いない”のじゃ全然違うんだよね。オリンピックで金メダル取って表彰台の一番高いところで笑う真央を見たかった。オリンピック出るって言ったじゃん!ばか!って思った。でも、真央が「悔いはない」って決めたことなら受け入れるし、真央が笑顔でいるって言うんなら私も笑ってなきゃって思った。それに、少しだけ嬉しい気持ちもあったんだよね。引退することで、真央が背負ってるものが軽くなるなら、少しでも重圧から解放されるなら、それはそれでいいんじゃないかって。

 でも何よりも感じたのは、真央が愛されているということ。たくさんの「お疲れさま。ありがとう。」の声に、本人じゃないのに嬉しかった。スケートに詳しい詳しくない関係なく、本当にたくさんの人の心に残っているんだなって。

 

 だから私からも。お疲れさま。ありがとう。大好きだよ。

 

 12日には記者会見が行われた。この時の真央も飾ることなくいつもの真央で、水飲むのですら可愛かった。”言ったことはちゃんとやる”っていうのはずっと昔から変わってなくて。オリンピックに出るって言ったことをちゃんと覚えてて、「言ったからにはやらなきゃって悩んだ」んだって。でも、「自分で選んだことだから」って言い切っていて、本当に強いなぁって。強くなったなぁって。真央は泣かなかったのに、泣いた。

 

 

 そして今、オリンピックで金銀を獲得したニュースが嫌でも聞こえてくる。本当にそれはすごいことで、嬉しい。でもどうしても私は、真央のことを思って切なくなっちゃうんだよ。真央にも見てほしかったなあって。真央が前向いてるのに自分がこれじゃダメだって分かってても思ってしまう。

 私のスケートファン人生はソチ五輪で止まったまま。あそこから動けないでいる。真央もスケートも好きだけど、嫌いじゃないけど、あの場で止まったままなんだ。復帰した真央の演技を見て進んだと思っても戻って。いや、あそこから復帰した真央を見てたのかもしれない。現役の選手の凄さも分かってるけど、私には違うんだよ。凄い真央を好きになったんじゃなくて、好きになった真央が凄い人だっただけなんだよ、きっと。過去は変えられないのも過去には戻れないのも分かってて、止まってる。これから先、いつかまた誰かが、私のスケートファン人生を動かしてくれるかもしれないし、止まったままかもしれない。でも、それでもいいかなって思う。真央のことが好きな気持ちは昔からずっと存在しているし、スケートが大好きだった思い出も消えないから。

 

 

 初めて見たときからずっと、”浅田真央”は私の憧れであり目標です。